【1月23日 AFP】中国で感染が拡大している新型コロナウイルスについて、遺伝子解析によれば由来はコウモリかヘビの可能性があるとの研究結果2件が、それぞれ学術誌に発表された。新型ウイルスではこれまでに17人が死亡している。

 いずれの仮説も、集団感染が確認された後に中国当局が公表した新型コロナウイルスのゲノム配列を調べた結果に基づいており、コウモリが感染発生に関与している可能性が高いと指摘している。

 このうち、21日に国家機関の中国科学院(Chinese Academy of Sciences)が出資する学術誌「中国科学:生命科学(Science China Life Sciences)」に発表された研究では、武漢(Wuhan)で見つかった新型ウイルスを既知のウイルスと比較した。

 この研究で、新型ウイルスはコウモリの保有するコロナウイルスの近縁種だと分かったという。コウモリが新型の「自然宿主」だったと考えるのが「合理的で妥当」だと、中国の研究チームは述べている。

 この研究では「中間宿主」となった可能性のある動物については言及していないが、22日にウイルス学の専門誌「ジャーナル・オブ・メディカル・バイロロジー(Journal of Medical Virology)」に発表された別の研究論文は、ヘビがそうだった可能性を指摘した。

 研究チームは「ウイルスのレゼルボア(保有宿主)を見つけるため、包括的な配列解析と比較を行った。われわれの解析結果は、ヘビがレゼルボアの野生動物だった可能性が最も高いことを示唆している」と述べている。(c)AFP