【1月23日 AFP】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のスタートアップ「クルーズ・オートメーション(Cruise Automation)」は21日、ハンドルもペダルもないライドシェア用の自動運転車を公開した。

 クルーズのダン・アマン(Dan Ammann)最高経営責任者(CEO)は同日夜の発表会で、電動式自動運転車クルーズ・オリジン(Cruise Origin)は、「ゼロから始めた場合、どのような輸送システムを構築するかという問いに対するわれわれの答えだ」と述べた。

「エンジンを取り去った。疲れやすく、注意力散漫で、いらいらしたり焦ったりする運転手も取り去った。ハンドルやペダル、バックミラーやワイパー、狭苦しい座席など運転手のための装備もなくした」

 同社はオリジンをライドシェア用に設計された「量産車」だとしているが、発売時期や価格などの詳細は発表していない。

 現在、路上を走る自動車の大半は、緊急時に対応できるよう運転手がいる。オリジンは、そうした緊急対応能力がなく路上を走行する初の自動車となる可能性がある。

 アナリストのリチャード・ウィンザー(Richard Windsor)氏は自身のブログ「ラジオ・フリー・モバイル(Radio Free Mobile)」で、今回の発表では航続可能距離や発売日、価格など詳細情報が明らかになっておらず、アナリストらは多くの疑問を抱えたままだと指摘している。同氏は、自動運転車が大規模に展開されるのは2028年以降だと予測している。

 さらにウィンザー氏は、GMクルーズは何らかの成果を示す必要に迫られたが、自動運転技術は商品化には程遠い状況にあったため、今回の発表に至ったのではないかと指摘した。(c)AFP