【1月23日 AFP】(更新)中国での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同国当局は23日から、流行の中心地である中部・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)発の航空便と鉄道の運行を停止する。同国の国営メディアが報じた。新型ウイルスの死者は17人、感染者は500人以上に増加。世界保健機関(WHO)は同ウイルスをめぐる緊急会合の延長を決めた。

 国営中国中央テレビ(CCTV)によると、交通遮断措置は23日午前10時(日本時間午前11時)から導入される。当局は「流行拡大の勢いを断固として抑え」、人命を守るための措置と説明。住民に対し、特別な理由がない限り同市を離れないよう呼び掛けた。

 人口約1100万人の武漢では、大規模な公共イベントが中止となり、サッカーの国際試合も会場が変更された。当局は先の発表で、人々に同市訪問を控えるよう促す一方、現地の住民に対し市内から出ないよう勧告していた。

 新型ウイルスは米国、台湾、タイ、日本、韓国、マカオでも感染者が確認されており、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスと類似していることから懸念が広まっている。SARSは2002~03年の流行時に中国本土と香港で650人近い死者を出した。

 WHOは22日、新型ウイルスについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するかどうかを決めるための緊急会合を開いたが、結論には至らず、協議を翌日に持ち越すことを決めた。(c)AFP/Beiyi SEOW