【1月22日 AFP】年金制度改革に反対する大規模な抗議行動が続くフランスで21日、電力会社の労働者らがストライキを実施し、パリ南郊一帯への電力供給を停止した。

 仏配電事業エネディス(Enedis)は、21日午前6時(日本時間午後2時)ごろに停電が報告され、パリ南郊の複数地域の他、オルリ空港(Orly Airport)や広大な卸売市場であるランジス(Rungis)市場も影響を受けたと発表した。停電は技術者らによって2時間後に復旧されたという。同社は訴訟も辞さない構えだ。

 仏最大の労働組合で強硬路線を貫く、労働総同盟(CGT)電力部門の代表セバスティアン・メネスプリエ(Sebastien Menesplier)氏は、「停電とその結果については、エネディス経営陣からのあらゆる苦情を含め、われわれが責任を負う」と述べた。CGTはまた、原子力発電所での出力制御を開始する可能性も警告した。

 昨年12月5日以降、パリ周辺の地下鉄や鉄道に混乱をもたらしている交通機関の大規模ストライキで、CGTは主導的な役割を果たしている。

 仏政府は年金制度の一本化を進めており、24日に改革案を正式発表する見通し。だが複数の労組が、公共部門の職員を中心に適用されている早期退職制度などの恩恵がなくなるとして抗議している。

 政府が満額での年金受給開始年齢を62歳から64歳へ引き上げる案を撤回した時点で、穏健派の労組は改革案に合意する構えを示した。また20日になって、ストライキを行っていた地下鉄職員らがストライキの保留を採決したことで、状況はかなり和らいだ。しかしCGTは、解決には「ほど遠い」として闘う姿勢を崩していない。次の抗議活動は24日に計画されている。(c)AFP