【1月22日 AFP】レバノンで21日、ハッサン・ディアブ(Hassan Diab)新首相率いる新閣僚20人の名前が公表され、新政権が発足した。長らく待たれていた新政権だが、発表直後から市民らの抗議と、崩壊寸前の経済を立て直すという極めて困難な課題に直面している。

 サード・ハリリ(Saad Hariri)前首相が反政府デモにより退陣に追い込まれてから3か月が経過し、強力なイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)の支持を受けたディアブ氏が昨年12月に首相に指名されてから1か月が過ぎた。

 先月までほぼ無名だった工学教授で元教育相のディアブ氏は、首相に指名された後、技術専門家(テクノクラート)から成る政権を樹立し、市民の不満を解消することを目指すと強調。新政府は「独立した司法制度の確立、横領された資金の回復、汚職の撲滅などを求める市民の要求を満たすよう努力していく」と明言した。

 新内閣は同国初の女性国防相としてゼイーナ・アカール(Zeina Akar)氏を任命。その他5人の女性が閣僚メンバーとして名を連ねている。初の閣議は22日に行われる予定。

 新閣僚の多くは学者や元顧問といった、あまり名前が知られていない人物だが、市民らはすぐさま、これまで広く非難の的になってきた世襲の有名政治家らの不在は、問題を隠す手段にすぎないと訴えた。

 先週末に警察とデモ隊が衝突し、多数の負傷者が出ていたベイルート市内では新内閣発足の発表の前からデモ参加者らが街に出て、中心部の主要道路を封鎖した。(c)AFP/Tony Gamal-Gabriel