【1月21日 AFP】フィリピン・ルソン(Luzon)島にある湖の中心に位置するタール(Taal)火山の噴火により、周囲には火山灰の小山ができ、木々は焼け焦げて、荒涼とした光景が広がっている。一方で動物の姿や住民の気配も確認された。

 先週の噴火により、タール火山の周囲は大量の火山灰で覆われた。より大規模な噴火の恐れがあるとして、避難命令は出されたままとなっている。

 しかし、AFP記者が21日に火山周辺上空を飛行するフィリピン軍のヘリコプターに同乗したところ、火山灰に覆われた家屋の近くには10頭ほどの白い牛がうろつき、湖岸にはカラフルな船が複数停泊していた。

 火山の噴火口からは噴煙が細く上がっていた。

 当局は、ここ数日間で差し迫った噴火を示す表面的な兆候は弱まってきているとしている。

 一方で科学者らは、依然として大規模噴火が起きる危険があると警告。11万人以上が現在も避難している。

 タール火山の麓に暮らす少なくとも3000人に退避命令が出ているが、多くの住民が家畜を救出したり、自宅から所持品を取ってきたりするために戻ってきている。

 家屋は火山灰に押しつぶされたり埋もれたりしていたが、AFP記者は少なくとも1軒だけ、屋根がきれいに掃かれた家屋を確認した。(c)AFP