【1月21日 Xinhua News】中国の浙江大学(Zhejiang University)はこのほど、脳科学と人工知能(AI)を融合させた「双脳計画」の研究成果として、72歳の男性まひ患者が埋め込み型ブレーン・マシン・インタフェース(BMI)を通じて「意識」することでロボットアームとロボットハンドを正確に制御して3次元空間での動きを実現、握手する、水を飲む、食事をするといった複雑な動作をこなしたと発表した。

 研究は、浙江大学求是高等研究院のBMIチームと同大学医学院付属第二医院の神経外科が共同で完成させた。

 治験ボランティアの男性は2年前、交通事故で脊髄損傷を負い、四肢が完全にまひしてしまった。つかむ、握る、移動させるといった動作には、脳が信号を発し、伝達し、解読するなど一連の複雑なプロセスがある。このプロセスは、脊髄損傷や運動機能を喪失した障害者にとって、本来なら達成不可能な作業となる。

 研究者は最新の成果について、四肢まひの患者が運動機能を取り戻すのに役立ち、生活の質の向上につながるとし、将来的には運動補助や機能の再獲得、高齢者の機能強化など、より多くの分野にプラスの影響を与えると説明している。(c)Xinhua News/AFPBB News