アウシュビッツ解放75年、生存者が語る「消えない恐怖」
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■バットシェバ・ダガンさん
1925年ポーランド生まれ
アウシュビッツ囚人番号45 554
上品な雰囲気を漂わせたバットシェバ・ダガン(Batcheva Dagan)さん(94)は、今でも活動的だ。人生を未来の世代の教育にささげてきた。これまでに本を6冊執筆しているが、うち5冊は子ども向けの書籍だ。
強制収容所を出たダガンさんは、「生き延びて(人々に)伝える」ことを決心したのだという。
ダガンさんはアウシュビッツの近くにあるビルケナウ収容所の倉庫で働いていた。そこには、靴など囚人の持ち物が積み重ねられていた。「私は20か月そこで過ごした。600日間ずっと」
ダガンさんの仕事は、収容所に到着したユダヤ人の旅行かばんを燃やし続けることだった。
「いつも死におびえながら、何時間も働いた。これが最後かもしれないと常に思いながら暮らしていた」
子どもたちに教えることで、自身の経験を前向きなものにしたいとダガンさんは考えていると話し、「ホロコーストの恐怖だけを物語るのではなく、お互いが助け合っていたこと、パンのかけらを分かち合えたこと、友情など素晴らしいことも話すようにしている。(中略)私たちは人間性を失わなかった」と続けた。
「私は生きている。(中略)苦しみは克服した!」 (c)AFP/ Guillaume LAVALLEE / Michael BLUM