【1月21日 AFP】国連(UN)の国際労働機関(ILO)は20日、雇用情勢に関する年次報告書を発表し、世界で4億7000万人以上が失業中か十分な職に就けていないと明らかにした。また、まともな仕事に就く機会を得られないことが社会不安の一因になると警告した。

 ILOによると、世界の失業率は過去10年間のほとんどで比較的横ばいで推移しており、昨年は5.4%だった。失業率は今後も大きく変化しないと予想されているが、減速気味の経済により、増加する人口に対する仕事の数が減って失業者が増加する恐れがある。

 年次報告書「世界の雇用および社会の見通し(World Employment and Social Outlook)」の中でILOは、今年の失業者数が、昨年の1億8800万人からさらに増えて1億9050万人に上ると予想している。

 同時にILOは、世界で約2億8500万人が不十分な仕事に従事していると強調。不十分な仕事とは、希望する勤務時間より短い時間しか働くことができない、職探しを断念した、労働市場に参加する機会が少ないなどの状態を意味する。

 失業者と不十分な仕事に従事している人は合わせて5億人近くに上り、世界の労働者人口の13%を占めるとILOは指摘している。(c)AFP/Nina LARSON