【1月21日 AFP】グアテマラ領から川を渡ってメキシコ国境の突破を図った中米からの移民集団(キャラバン)数千人が20日、催涙弾を使用したメキシコ国境警備隊によって撃退された。

「2020年キャラバン(2020 Caravan)」と呼ばれる中米出身の不法移民約3500人は20日早朝、スチアテ川(Suchiate River)のグアテマラ側に集まり、移民当局に対して米国へ向かう旅を続けさせるよう要求した。

 当局からの応答は直ちになく、移民たちはこの時期浅瀬になっているスチアテ川を歩いて渡り始めた。しかし、メキシコ南部国境を監視する警備隊が移民を追い返すために催涙弾を撃ち込むと、おびただしい数の移民の間に動揺と混乱が広がった。

 催涙ガスをよけるために顔周りを布や衣服で覆った大勢の移民たちは国境警備隊に石を投げつけ、警備隊は暴徒鎮圧用の盾で身を守った。一部の移民は非常線を突破したが、多くは後退せざるを得なかった。

 当局によると、国境を突破した約200人がその後、拘束されたという。AFP特派員は幹線道路沿いで身柄を拘束され、バスやトラックに乗せられる大勢の移民を目撃した。何人かは逃げようとしたが失敗し、やはり拘束されていた。

 メキシコ当局は「合法的に安全で秩序ある方法」で入国する限り、移民を歓迎する用意があるとしている。だが、メキシコは米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領から、それとは逆の措置を取るよう圧力をかけられている。

 トランプ氏は昨年、メキシコが対米国境に到達する中米出身の不法移民の波を阻止する対策を強化しない場合、厳しい関税を課すと警告した。メキシコは今回初めて、スチアテ川を渡ろうとするキャラバンの強制阻止に乗り出した。(c)AFP/Gabriela COUTINO, with Henry MORALES in Tecun Uman, Guatemala