【1月20日 AFP】南米パラグアイの警察当局は、ブラジルとの国境付近にある刑務所から19日、受刑者76人が脱獄したと発表した。脱獄囚の多くが麻薬や武器の違法取引に関わるブラジルの巨大犯罪組織のメンバーで、「非常に危険な」者たちだという。

 警察によると、ブラジル人とパラグアイ人の受刑者たちは、国境沿いに位置するペドロフアンカバジェロ(Pedro Juan Caballero)市にある刑務所から、トンネルを掘って脱獄したという。

 当局によると、脱獄囚はブラジル人40人、パラグアイ人36人の計76人。

 セシリア・ペレス(Cecilia Perez)法相は今回の事件について激しく非難。トンネルをつくるのに「2、3週間」はかかったはずだったと報道陣に述べ、「(刑務所)職員は何も知らず、何もしていないことは明白だ」と語った。

 事件により、刑務所長は解任され、看守数十人が逮捕された。

 脱獄囚の多くが、「州都第一コマンド(PCC)」として知られる、ブラジルの最も強力な犯罪組織の一つに所属している。

 警察によると、脱獄囚の中には昨年6月にサンペドロ(San Pedro)刑務所で発生した大量殺害事件に関わった者もいたという。

 さらに、囚人たちは「映画で目にするように、内部に照明を備えた」トンネルを掘ったとし、トンネルは刑務所内のトイレから延びており、トンネルから最も近い監視所までは25メートルしか離れていなかったと明かした。

 捜査官らはこれまでに数百個の砂袋を発見している。(c)AFP