【1月20日 AFP】長引く干ばつと森林火災で既に壊滅的な被害を受けているオーストラリア東岸は20日、激しい雷雨と巨大なひょうに見舞われた。先週末には「世界の終わり」を思わせる大規模な砂嵐も発生するなど、異常気象が相次いでいる。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州西部では先週末、広大なアウトバック(Outback)と呼ばれる内陸部の原野に点在する町々を、巨大な壁と化した砂嵐が通過していく様子をとらえた劇的な写真が何枚も撮影された。地元住民は、昼日中に辺りが真っ暗になったと語っている。

 砂嵐に襲われた町の一つ、ダボ(Dubbo)に住む女性は、今回の砂嵐は通常より「もっと壮大だった」「本当に、この世の終わりを描いた映画のようだった」と証言している。

 一方、首都キャンベラでは20日、激しいひょうが降った。テレビではひょうの直撃を受けて木々の枝が折れる映像が報じられ、救急当局は住民に「車を屋根の下に移動させ、木や電線から離れる」よう呼び掛けた。

 気象当局は、シドニーをはじめニューサウスウェールズ州南東部に暴風雨が接近していると警告。今後数時間の予報として「非常に激しい雷雨により、被害が出る恐れが高い。一部地域には破壊的な暴風や、巨大なひょう、豪雨をもたらし、鉄砲水が発生するかもしれない」と警鐘を発している。

 また、人気観光地ブルーマウンテンズ(Blue Mountains)では、金属製の手すりにもたれていた少年(16)と男性(24)が落雷に遭い、病院に搬送された。救急当局者は「彼らは非常に運が良かった」とコメント。あと1センチずれていたら雷が直撃し、2人とも命を落としていただろうと語った。(c)AFP