■生計はどうやって立てるのか?

 夫妻は「経済的に自立」したいと主張し、公務を行うエリザベス女王や、女王の代理を務める王室メンバーに支払われている王室助成金の受け取りを放棄することを表明した。しかし、これに相当する金額の合計は夫妻の収入の5%にすぎず、残りの95%はチャールズ皇太子が所有するコーンウォール公領(Duchy of Cornwall)から2人の息子、ヘンリー王子とウィリアム王子(Prince William)に分配される利益によるものだ。

 サンが報じたところによると、夫妻がこの利益を放棄するかどうかはまだ明らかにされていない。昨年の利益は推定約230万ポンド(約3億3000万円)に上っている。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は20日、チャールズ皇太子は、おそらく来年も自分の収入からいくらかをヘンリー王子に分配し続けるだろうと報じている。

 しかし、夫妻はウィンザー城(Windsor Castle)の敷地内にある現在の住居フログモア・コテージ(Frogmore Cottage)の改修費として税金から支払われた240万ポンド(約3億4000万円)の返済に同意したため、これから新たに生計を立てる方法を見つけなくてはならない。

 夫妻は昨年10月、英国のメディアを相次いで提訴しており、それにもかなりの費用がかかっている。また、最高度の警護に要する費用も支払っていかなければならない可能性がある。

 ヘンリー王子は数百万ポンドもの貯蓄については公開していない。一方、元女優のメーガン妃は、ソーシャルメディアで非常に多くのフォロワーを獲得している。また、米テレビ司会者のオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)さんやバラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領とミシェル(Michelle Obama)夫人といった超一流の有名人との交流がある世界的スターとして高収入を得てきた。

 メーガン妃は現在、健康と「ウエルネス」商品の開発を検討している。さらに、米ネット配信ネットフリックス(Netflix)のコンテンツ最高責任者テッド・サランドス(Ted Sarandos)氏が、夫妻の番組出演に興味を持っているとされている。

■王室復帰は可能か?

 ヘンリー王子が考え直した場合、「理屈の上では殿下の称号は維持され、王子がやるべき公務はたくさんある」と英BBCは説明する一方で、「王室復帰は可能だが、同じ立場に戻れる可能性は低い」と続けている。

 ヘンリー王子は、英国軍の一員として2回アフガニスタンに派遣された後に授与された軍の階級と後継者としての役割も放棄しなければならなかった。(c)AFP