【1月19日 AFP】(更新)レバノンの首都ベイルートで18、19日の週末、投石する反政府デモ隊に治安部隊が催涙弾で応酬し、医療関係者によると2日間で530人以上が負傷した。

 昨年10月17日に始まった前例のない大規模デモでは、人々が宗派を超えて政治エリートの無能と腐敗、深刻化する経済危機の責任を訴えている。サード・ハリリ(Saad Hariri)首相は街頭デモの圧力に屈して退陣したが、新内閣の組閣が難航し、経済は深刻化の一途をたどっている。

 18日の衝突は、デモ隊のうち数十人が議会へと通じる道路で、警備中の機動隊に石や植木鉢などを投げつけたことから始まった。参加者の一部はスカーフで顔を隠していた。さらに、有刺鉄線のバリケードを突破して議会へ向かおうとする参加者や、道路標識を武器として警察の警戒線の突破を試みる参加者も現れ、治安部隊は放水と催涙ガスで対抗してデモ隊の解散を試みた。

 赤十字(Red Cross)と民間防衛局の情報をもとにしたAFPの集計によると、この衝突で双方に少なくとも377人の負傷者が出た。この負傷者数は、3か月にわたる抗議デモで最多。

 翌19日も、「革命、革命!」と叫ぶデモ隊数十人が議会前のバリケードを守る警官隊に向けて投石。AFP特派員によれば、機動隊が放水銃やゴム弾、催涙ガスを用いてデモ隊を押し返した。赤十字は、この衝突で145人以上が負傷したと発表している。(c)AFP