【1月20日 AFP】19-20スペイン1部リーグは19日、第20節の試合が行われ、キケ・セティエン(Quique Setien)新監督が初陣を迎えたFCバルセロナ(FC Barcelona)は、リオネル・メッシ(Lionel Messi)のゴールでグラナダ(Granada CF)に1-0で勝利し、新体制を白星でスタートさせた。

 セティエン監督としては別のバルセロナを求めていたかもしれないが、必要になったのはお決まりのメッシだった。

 バルセロナの本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou)で行われた試合は、なかなか得点が動かず、セティエン監督の下での待望の新時代は期待外れの幕開けになるかに思われたが、76分にメッシが試合を決めてそれを防ぎ、同時にチームは前日勝利していたレアル・マドリード(Real Madrid)から首位の座を守った。

 セティエン監督は「きょうのチームからは、見たいと思っていたものがたくさん見られた」「しかし、そのうちいくつかは(先週末の)アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)戦でも見えていた。バルセロナはもう何年も素晴らしいプレーを見せている」とコメントした。

 グラナダも残り20分ほどのところでヤン・エテキ(Yan Brice Eteki)がポストをたたくシュートを放ち、これが決まっていれば、あるいは直後にCBのヘルマン・サンチェス(German Sanchez Barahona)が2枚目のイエローカードをもらって退場していなければ、結果は変わっていた可能性もあった。

 それでもバルセロナは数的有利を追い風に、アルトゥーロ・ビダル(Arturo Vidal)、アントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)、20歳のリキ・プッチ(Riqui Puig)の好連携からメッシが今季公式戦21試合で17ゴール目をきっちり押し込んだ。

 ビダルとグリーズマン、プッチの3人にはセティエン監督にアピールしたい理由があり、特にプッチがこの試合でベンチに入ったことは、新指揮官の信頼の表れだった。投入後にチームの勝利に貢献したことで、プッチは引き続き出番を与えられるものとみられる。

 セティエン監督は前週、良いサッカーをすることだけは約束すると話しており、この試合では、解任されたエルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)前監督の頃から内容が見違えたわけではなかったが、明るい材料は確かにあった。パススピードは上がり、前からのプレスを強め、メッシは主に中盤に下りてプレーし、グリーズマンが左、こちらも若手のアンス・ファティ(Ansu Fati)が右サイドに入った。

 またセティエン監督は試合前日、勝利しても内容が悪ければ気分良く家に帰ることはできないと話していたが、1-0で勝利できたのは順調な滑り出しで、またレアルにつまずきそうな気配がまったくないことからも、このグラナダ戦での取りこぼしは許されなかった。

 今節は3位のアトレティコと4位のセビージャFC(Sevilla FC)がそろって敗れたため、バルセロナとレアルは両チームに勝ち点8差を付けており、優勝争いはこの2チームの一騎打ちの様相が強まっている。(c)AFP/Thomas ALLNUTT