【1月19日 AFP】南アフリカ人の男性が、地上から25メートルの高さにある「たる」の中で2か月以上を過ごし、自身が1997年に達成したギネス世界記録(Guinness World Records)を塗り替えている。

 普段は運転手として働くバーノン・クルーガー(Vernon Kruger)さん(52)は、同国の町ダルストローム(Dullstroom)を見下ろすたるの中での生活を始めてから、20日で67日目を迎える。

 クルーガーさんは、「たるの中で寝るのは簡単ではない」と説明。「体を丸めるくらいにとても小さく、胎児のような姿勢で横たわらないといけない」と語った。

 クルーガーさんの「空の家」には、「すべての排出物」のための下水システムが備えられており、週に2度、小さなたらいを使って体を洗い、地上にいる自身のチームがバスケットに入れてくれた食べ物を引き上げて暮らしている。

 最初にこのアイデアが浮かんだのは、クルーガーさんが休暇中にとある島でヤシの木に登っていた際だった。「誰かが、木に座り続けて記録を破ってみたらどうかと言ってきた。最初は冗談だったが、後になって自分の友人たちから実際にやってみるよう背中を押された」

 だが、クルーガーさんが少し調べてみたところ、インドネシア出身の男性が木の上で28日間を過ごし、すでに記録を更新していたことを知った。

 このアイデアを捨て去ると、今度は友人の一人が「柱に座る」のはどうかと提案。

 クルーガーさんによると、当時の記録は54日だった。この難記録に挑むことを決めたクルーガーさんは、「柱の上」で64日間座り続けた。

 クルーガーさんはそれから20年以上を経て、けいれんや背中の痛みをものともせず、再び新記録に挑んでいる。

「ここでは、とりわけ自力では多くのことができないため、イライラが少し多くなる」と認めつつ、クルーガーさんは「完全にすべてのことを他の人に頼らなければならない」と説明。

 ところが、たるの上での生活を始めてから今月20日で67日目を迎えるものの、チームも困惑することに、クルーガーさんはもう少し長くたるの中で過ごすつもりでいる。

 クルーガーさんのチームのまとめ役であるフィオナ・ジョーンズ(Fiona Jones)さんは、「バーノンは、記録を破っても下りてこない」「もう少し長くとどまるつもりだ」と述べ、「彼を下りてこさせなければならないのが気がかりだ」と語った。(c)AFP