【1月18日 AFP】フィリピンで、ごみ問題と度重なる自然災害に対処するため、火山灰とプラスチックごみを混ぜたれんがを作るユニークな取り組みが行われている。

 タール(Taal)火山は、約1週間前に活発化。上空には巨大な噴煙が立ち上り、近隣の都市ビニャン(Binan)は細かい灰色の粉で覆われた。そこで環境当局は、火山灰を除去するのではなく、砂やセメント、プラスチックごみと混ぜ合わせ、地元の建設事業用に1日当たり約5000個のれんがを作る計画を決定した。

 ビニャンの環境当局者、ロデリオ・リー(Rodelio Lee)氏は、「灰は、どこかに積もったままにさせておくのではなく、プラスチックと混ぜれば、便利なものに変えられる」と話す。

 危機的なごみ問題に直面しているフィリピンでは、昨年の使い捨てプラスチックの使用量は「驚異的」との報告がある通り、使い捨てのポリ袋の年間の使用量は600億枚近くに上る。

 タール火山から噴出した溶岩と噴煙の影響で、これまでに7万人以上が避難所での生活を余儀なくされたほか、さらに大きな噴火がいつでも起きる可能性があるとの警報が出されている。

 そうした中で、火山灰とプラスチックには事欠かないビニャン市当局は、事業に希望を見いだしている。アルマン・ディマギラ(Arman Dimaguila)市長は、「このところ、私たちの創造性が発揮されるようになった」と話した。(c)AFP