パナマ先住民の村でいけにえの儀式、7人の遺体発見 警察部隊を増派
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【1月19日 AFP】パナマの辺境地にある先住民の村で、子ども6人と妊婦1人が宗教儀式の犠牲(いけにえ)にされたとみられることから、警察の増援部隊が派遣された。当局が17日、明らかにした。
警察部隊が向かったのは、首都パナマ市から約250キロ離れたカリブ海(Caribbean Sea)沿岸、ノベブグレ(Ngabe Bugle)自治区にあるテロン(Terron)という共同体。地元住民らは「恐怖に陥っている」という。
隣接するベラグアス(Veraguas)県のエンリケ・マルティネス(Enrique Martinez)警察長官は、同地域に「現在、特別部隊が向かっている」と発表した。
現地では16日、妊婦1人と1歳から17歳までの子ども6人の遺体が葬られた埋葬地が発見された。遺体には殴られた痕があった。
警察は前日の15日、残忍な悪魔ばらいに関与したとされる正体不明の宗派を強制捜査し、10人を拘束、15人を救出していた。犠牲者は「拷問を受け、いけにえとされ」、救出された15人も犠牲になる可能性があったという。
容疑者の一人は、埋葬地で発見された妊婦の父親だった。妊婦は、同じく遺体となって発見された子ども6人のうち5人の母親だった。
隣接するボカスデルトーロ(Bocas del Torro)県のラファエル・バロエス(Rafael Baloyes)首席検事は「彼らは儀式に関与した宗派のメンバーとみられ、犯行に及んだ人物らだと推定される」と語った。
治安省では、この宗派について「神の新光(God's New Light)」と呼ばれている集団だとしている。当局によると、救出された人々には子ども9人と妊婦2人が含まれ、やけどと殴打による傷の手当てを受けた。
集団からかろうじて逃れたドミンゴ・ゴンサレス(Domingo Gonzalez)さんは、地元テレビ局TVN2に、集団のメンバーに裸にされた少年が、実の父親に殴られているところを見たと語った。「子どもを聖書とげんこつで殴り始め」「彼(の首)をつかみ『自分の中にある悪魔を追い出せ』と言っていた」という。
儀式は密生した草木に囲まれた牧場で行われ、外側からは見えないようになっていたという。(c)AFP