【1月18日 AFP】インド西部で開催された毎年恒例の祭りの際、かみそりのように鋭いたこ糸で150羽を超える鳥たちが死んだことが分かった。

 ボランティアたちはハトやムクドリ、コウノトリなどの救助に駆け回っているものの、17日の当局発表によれば、152羽が手当てを受ける前に死んでしまったという。

 同国西部グジャラート(Gujarat)州とマハラシュトラ(Maharashtra)州では、たこ糸に絡まり、数百羽がけがをした。

「マンジャ」と呼ばれるたこ糸は、数百万人が参加する祭りの際に行われるたこ合戦で使われるもので、対戦相手のたこ糸を切断するため、粉末ガラスと接着剤を混ぜたものでコーティングされ、切れ味を鋭くしてある。

 鳥の救助に当たるボランティア団体で活動するハルシル・シャー(Harshil Shah)さんによると、盛大かつ熱狂的に祝われるヒンズー教の祭り「マカラ・サンクランティ(Makar Sankranti)」が開催された今月14日と15日、両州にある同団体の施設に750件の緊急通報が寄せられたという。

 シャーさんは、「できる限り多くの鳥たちを救うため、緊急呼び出しの間、対応時間を短くしようと努めているが、鳥たちの20%はたこ糸に絡まった後、けがが原因で死んでしまう」と語った。

 マハラシュトラ州の州都ムンバイ(Mumbai)郊外にある鳥の保護施設は、けがをしたフクロウやカッコウだけでなくリス1匹も手当てしていると報告している。

 マンジャの使用は、首都ニューデリーをはじめ同国各地で禁止されているものの、順守を徹底させられておらず、広範に使用され続けている。二輪車の乗り手が糸に引っ掛かる交通事故も頻繁に起きており、乗り手が死亡する事態もたびたび発生している。(c)AFP