【1月18日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)の主催者は18日、森林火災の煙霧による大気汚染で予選に影響が出ている問題で、選手から批判の声が噴出していることを受け、プレー中断の判断基準となる空気質レベルを設定した。

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 オーストラリアに甚大な被害を及ぼしている森林火災の影響で、現地メルボルンでは14日に空気の質が地上最悪レベルに到達し、15日にはわずかながらに改善が見られただけとなっている。市民やペットには室内にとどまるように勧告が出されている一方で、四大大会(グランドスラム)の今季初戦、全豪オープンの予選は予定通りに開催された。

 スロベニアのダリラ・ヤクポビッチ(Dalila Jakupovic)が激しいせきに襲われて試合の棄権を余儀なくされた中、英国のリアム・ブローディ(Liam Broady)は「複数」の選手がぜんそく治療薬を必要としていたと主張。同選手はプレー中断のタイミングを決める基準が明確でないとして、怒りをあらわにしていた。

 こうした批判の声を受けて大会主催者はこの日、会場のメルボルンパーク(Melbourne Park)内に設置された複数の測定所で計測した汚染物質を基に、5段階の「空気質レベル」を設定したと発表。PM2.5(微小粒子状物質)の測定値が200を超え、空気質がレベル5と判断されたときには試合が中断されるという。

 数値がレベル4に相当する97~200を示した場合は、医療スタッフと大会関係者がプレーを続行すべきか話し合うか、レフェリーが必要と判断すれば試合を中断することができる。この規定はすべての屋外コートに適用され、開閉式の屋根がついている三つのスタジアムに関しては、屋根が閉められるまでプレーは中断。試合はゲームが偶数になるまで続けられ、タイブレークの場合は決着がつくまで行われる。

 オーストラリアテニス協会(Tennis Australia)のクレイグ・タイリー(Craig Tiley)最高経営責任者(CEO)は16日、批判の声を一蹴すべく、「競技やテニスが行われるための空気質の問題は、これからももっと話し合われることだろう」とすると、「怒りを覚えるのはもっともだ」と付け加え、「われわれは選手たちをいつでも歓迎し、話し合いに応じるつもりだ」と述べた。

 全豪オープンの本戦が開幕する20日は、雨の予報が出ている。18日のメルボルンの空気は「良い」より一段階下の「並」と測定された。(c)AFP