【1月17日 AFP】イラン最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は17日、首都テヘランのモスク(イスラム礼拝所)で、8年ぶりに金曜礼拝で説教した。その中でハメネイ師は、ウクライナ旅客機の撃墜を「痛ましい」悲劇と形容した一方で、そのせいで米国による無人機攻撃で殺害された司令官の「犠牲」をかすませてはならないと説いた。

 イランはここ数週間、米国とあわや戦争を思わせる状況に陥った上、ウクライナ機を誤って墜落させ搭乗者176人全員が犠牲になる事故も発生し、衝撃の事態に相次いで見舞われた。

 ハメネイ師が前回同市のモサラ(Mosalla)モスクで金曜礼拝を執り行ったのは、イスラム革命から33年を迎えた2012年2月で、イランが核問題に直面していた際だった。

 ハメネイ師は「航空機墜落は痛ましい事故で、われわれの心を焼き尽くした」と述べた一方で、この事故を、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官の「偉大なる殉教と犠牲を忘れされるような形で打ち出そうとした者が一部にいた」と指摘した。

「われわれが旅客機墜落を悲しむのと同程度に、敵は事故を喜んでいた。革命防衛隊や軍、体制に矛先を向けるものが見つかったことを喜んでいたのだ」と同師は述べた。

 参列者らは説教の間中、「米国に死を」と繰り返し叫んでいた。(c)AFP