【1月23日 CNS】米ボストンコンサルティンググループ(BCG)と騰訊(テンセント、Tencent)傘下の市場分析会社テンセントマーケティングインサイト(TMI)によると、中国ではソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の社会への浸透率がすでに97%に達し、消費者のスマホ使用時間は1日平均で約4時間、うちSNSに費やす平均時間は2時間20分以上だという。

 両社は9日、共同で「2019中国社交関連小売り白書」を発表。さらに中国では「毎日平均7億5000万人を超すユーザーが、写真など各種のコンテンツをグループ内で共有する『モーメント』の情報を閲覧している」という。

 また、「中国で流行しているSNSメディアの中で、微信(ウィーチャット、WeChat)の月間アクティブユーザー数は11億人、微博(ウェイボー、Weibo)は5億人近くになっている。他にも、質問サイト『知乎(Zhihu)』、音楽や映像の共有・配信サイト『豆瓣(Douban)』など多くの活発なソーシャルプラットフォームがある。SNS時代の到来とともに、SNSを通じて消費者の購買品選択に影響を与えるブランド企業は増え続けている」としている。

 さらに「SNSの繁栄は、中国の伝統的な商いの中の営業と販売の方法を直接変化させてしまった。今では微信のブランドのオフィシャルアカウント、ミニプログラム、グループアカウントなどが融合しながら、営業から販売までの能力を発揮するようになった。ブランドはSNSの力を借りて消費者との距離を縮められるだけでなく、会話の効果を高め、営業から販売までの行程を短縮し、情報伝達コストを低減した」と指摘する。

 調査を受けた6000人を超す消費者の80%以上が特定ブランドのファンではなかった。この点についてBCGの胡昊鵬(Hu Haopeng)董事は「SNS時代では消費者はもはやビッグブランドの忠実な支持者ではなく、新ブランド、新製品、新体験を受け入れる素地がふくらんでいる。ブランドにとっては、さらに多元的な場面で消費者との接触点を増やし、新しい商品をくり出し、オリジナル性を打ち出し、消費者の『新鮮な興味の対象』となることが重要だ」と語る。

 白書はまた「調査した女性の56%が、SNSの影響を受けやすく購買意欲が湧くと言っている。これらの女性たちは、商品に関わる周辺知識と他人の使用時の感想を自身の購入決定の参考にしている。また女性に比べ、男性は商品の性能、価格、機能に引かれ、購入決定の時には往々にして娯楽性やめずらしさに最も興味を引かれている」とも分析している。(c)CNS/JCM/AFPBB News