【1月17日 AFP】ブラジルの熱帯雨林アマゾン(Amazon)の奥地で今週、数十部族の先住民の長老たちが大集合し、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領の開発計画に対抗して共同戦線を張るため協議している。ボルソナロ氏はアマゾンの環境規制を緩和し、先住民たちの土地で鉱山開発を進めようとしている。

 先住民らは、ボルソナロ氏の計画は熱帯雨林と先住民の生活をおびやかすだけでなく、土地の所有権をめぐる紛争を引き起こしかねないと批判している。

 会合は14日、熱帯雨林の破壊が進む中西部マトグロソ(Mato Grosso)州の村で始まった。先住民カヤポ(Kayapo)の長老ラオーニ・メトゥティレ(Raoni Metuktire)さん(89)は、「目の前で誰かが死ぬのはいやだ。白人と先住民が対立し、皆が互いに殺し合うことは望まない」と語った。

 メトゥティレさんは自ら首都ブラジリアに赴き、この会合で決まったことを議会に報告すると提案。「そこでボルソナロ氏に対し、なぜ先住民の人々をあれほど悪く言うのか問うつもりだ」とも発言。アマゾンの人々は欧州の「政治的支援を求めること」が重要だと強調した。

 アマゾンでは以前にも、経済的利益と闘うため先住民が結束した事例がある。1986年に熱帯雨林保護を訴え先住民の同盟を結成した環境活動家のシコ・メンデス(Chico Mendes)氏は、2年後、ある牧場主に銃で撃たれて死亡した。娘のアンジェラ(Angela Mendes)さんは非先住民のゴム採取業者だが、今回の会合に参加して先住民と共闘している。(c)AFP/Paula RAMON