【1月17日 AFP】サッカーと認知症の因果関係に関する研究が発表されたことを受け、スコットランドサッカー協会(SFA)が今月末からU-12のカテゴリーにおいて練習中のヘディングを禁止する見通しだと、16日に英BBCスコットランド(BBC Scotland)が報じた。

 米国では2015年から同様のルールが採用されているが、欧州でヘディングに制限が課せられるのはスコットランドが初めてとなる。

 英グラスゴー大学(University of Glasgow)は昨年10月、かつてサッカー選手だった人は一般の人と比較して脳の変性疾患で亡くなる可能性が3.5倍高いという結果を発見しており、今回の決定はこの研究を受けてのものとなっている。

 SFAの広報担当者によれば、この提案は間もなく最終承認される予定だという。

 広報担当者は「この研究がスコットランドのサッカー選手の医療記録を使って進められたことを考慮すれば、SFAにはこの発見に対して責任ある対応を取る付加的な義務がある」とコメントした。

 しかし、同大学でこの研究を率いているウィリー・スチュワート(Willie Stewart)博士は、子どものヘディングを禁止することを出発点にすべきだと考えている。

 同博士は英PA通信(Press Association)に、「頭への衝撃を減らそうとする措置は良い考えだが、それだけでは十分でないかもしれないということを注意しておきたい」と語った。

「『U-12のカテゴリーでヘディングを禁止しよう』と言うだけでは十分でない。アマチュアからシニア、プロにいたるまでサッカー界全体に目を向け、『効果を上げるためには他にどこを変えられる?』と言っていく必要があると思う」

 イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)やスコティッシュ・プレミアシップのセルティック(Celtic)などでプレーした元FWのジョン・ハートソン(John Hartson)氏は、SFAの姿勢を称賛した。

 ハートソン氏は「ヘディングは私のキャリアの大部分を占めた」「監督たちが私を獲得したのは、ヘディングできたから」と話した。

「選手が命を落としたり、レジェンドである元選手が認知症に苦しんでいたりする困難な状況がある。だから、SFAが他のサッカー界をけん引し、それに関することをしてくれてうれしい」 (c)AFP