【1月17日 AFP】米大リーグ(MLB)のニューヨーク・メッツ(New York Mets)は16日、カルロス・ベルトラン(Carlos Beltran)監督の退任を発表した。現在リーグを揺るがしているサイン盗み疑惑の調査で、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)の選手だったベルトラン氏は、選手としては唯一関連が取り沙汰されていた。

 2017年のワールドシリーズを制したアストロズが、相手チームからサインを盗み、どんな球種が投げられるかを打者に合図していたという疑惑が浮上した後、MLBの指揮官がチームを離れるのはこの数日間で3人目となった。

 ベルトラン氏は自身をめぐる状況について話し合うため、同日メッツのジェフ・ウィルポン(Jeff Wilpon)最高執行責任者(COO)とブロディー・ヴァン・ワゲネン(Brodie Van Wagenen)ゼネラルマネジャー(GM)と会ったことを明かした。

 メッツによる発表文の中で、ベルトラン氏は「われわれはたもとを分かつことで互いに合意した」とコメントした。「この機会を与えてくれたチームに感謝しているが、われわれはこの決定がチームにとって最善であるということで一致した」

「自分がチームを乱すわけにはいかなかった。球団全体の今後の成功を願っている」

 MLBは13日、調査報告書の中で今回の疑惑の仕組みを詳述。電子機器を使い相手のサインを盗んでチームのベンチに伝え、ごみ箱をたたくことで打者に合図が送られたとしている。

 MLBは同日、アストロズのA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)監督とジェフ・ルーノウ(Jeff Luhnow)GMに1年間の職務停止処分を科し、これを受けて両者は解任されていた。また、ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)は14日、2017年にアストロズでコーチを務めていたアレックス・コーラ(Alex Cora)監督の退任を発表していた。

 当時アストロズでプレーしていたベルトラン氏はMLBの報告書の中で、サイン盗みの計画について知っていた人物と記されたが、結局処分は科されず、罰則が科された選手もいなかった。

 ベルトラン氏は2017年に現役を引退したが、解任されたミッキー・キャラウェイ(Mickey Callaway)前監督の後任として、昨年11月にメッツの新指揮官に就任した。

 今回の疑惑を受けて、3球団は春季キャンプ開幕まで1か月を切る中、大急ぎで新たな指揮官を探している。(c)AFP