【1月16日 AFP】(更新)中国中部・武漢(Wuhan)で流行している肺炎の原因とされる新型コロナウイルスについて、地元当局は15日、ヒトからヒトに感染する可能性を排除できないと発表した。また、日本でも初となる新型コロナウイルスの感染者が確認された。

 新型コロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)の病原体と同じ科に属することから警戒感を呼んでいる。2002~03年のSARSの流行では、中国本土で349人、香港で299人が死亡した。

 武漢市の保健委員会は15日、市内で新型コロナウイルスへの感染が確認された41人のうち1人について、夫から感染した可能性があると発表した。夫婦で新型コロナウイルスへの感染が確認されたが、夫が感染の中心地と特定された鮮魚卸売市場で働いていたのに対し、妻は同市場に一度も行ったことがないと話しているという。

 同委員会は、新型コロナウイルスのヒトからヒトへの感染はこれまで確認されていないが、その可能性を「排除できない」と指摘した。

 また、日本でも初となる新型コロナウイルスの感染者が確認されている。厚生労働省によると感染が確認されたのは武漢を訪れていた男性で、男性は今月6日に日本に帰国した後、持続性の熱を訴え10日に入院した。

 男性は武漢の鮮魚市場には立ち寄っていないと話しており、感染経路は不明。現在症状は回復し、15日に退院している。(c)AFP