【1月16日 AFP】四大大会(グランドスラム)の今季初戦、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)の会場で15日、同国における森林火災の被災支援を目的としたチャリティーマッチが開催され、出場したロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が合わせて25万豪ドル(約1900万円)を寄付した。

 二人合わせてグランドスラムのシングルスで39度の優勝を誇るフェデラーとナダルは、被災者をサポートするためすでに多額が集まっている支援金をさらに集めるべく、ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)に登場した。

 チャリティーマッチにはセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)やキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、大坂なおみ(Naomi Osaka)、ペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)、ドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)、コリ・ガウフ(Cori Gauff、米国)、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)、ステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)といったそうそうたるメンバーが顔をそろえた。

 娘のアレクシス・オリンピア(Alexis Olympia)ちゃんと現地入りしているセレーナは、「ここは20年にわたって私のホームであり、このコート、この国でとても多くの素晴らしい試合を経験してきた」とコメント。「だから今夜、支援の手を差し伸べるために私たちはここに集まった」

 オーストラリアテニス協会(Tennis Australia)によると、今回のチャリティーマッチ「Rally for Relief」により「数十万豪ドル」の支援金が集まったという。なお、すでに世界のテニスコミュニティーからは280万豪ドル(約2億1000万円)以上の支援金が寄せられている。

 今回の森林火災を受け、多くのテニス選手が寄付を申し出ていて、協会はこの夏に行われる大会で記録されたエース1本につき100豪ドル(約7600円)を寄付すると発表している。また、15日にはチャリティーマッチに出場した選手が、支援のために私物をオンラインオークションに出品している。

 試合は「ファスト4(Fast4)」形式のダブルスで行われ、ティエムやクビトバ、ナダル、ジョコビッチ、そしてセレーナの「チーム・ウィリアムス」が、大坂やガウフ、ズベレフ、チチパス、そしてウォズニアッキの「チーム・ウォズニアッキ」と対戦した。

 メインイベントとしてはフェデラーと地元オーストラリアの悪童として知られるキリオスのシングルスが行われた。森林火災の支援金集めに奔走しているキリオスは「感情的なイベントだ。今夜は少しでも楽しんでほしいし、今回の災難を克服できるよう願っている」と話した。

 期間と激しさが異例となっている森林火災により、オーストラリアではこれまでに28人が死亡し、住宅約2000棟が焼け落ちるなど焼失面積は広範囲に及んでいる。

 また、森林火災を原因とする煙霧の影響で、全豪主催者はここ2日間の予選の開始時間を遅らせており、出場者の中には体調不良を起こす選手もいた。なお、15日午後には急激に気温が下がって雨が降ったため、16日は煙霧が解消されるものと期待されている。

 大会主催者は、会場のメルボルンパーク(Melbourne Park)には屋根付きのスタジアム三つと室内コート八つが備わっていて、緊急の場合はそれらを使用するため、20日から始まる本戦のスケジュール変更はないと強調している。チャリティーマッチではロッド・レーバー・アリーナの屋根は閉じられていた。(c)AFP