【1月16日 AFP】中国で、1日2元(約30円)の食費で極貧生活を送っていた女子大学生が、100万元(約1600万円)の寄付を集めていたのにもかかわらず死亡したことを受け、ソーシャルメディア上で怒りの声が上がっている。

【こちらの記事も読まれています】中国貧困家庭の母、子4人と無理心中 貧富の差めぐる議論に

 中国メディアの報道によると、極度の栄養失調状態にあったウー花燕(Wu Huayan)さん(24)は13日に死去した。両親を亡くしていたウーさんは、弟の治療費を工面するために食費を1日2元に切り詰め、唐辛子をまぜた米などを食べて暮らしていた。

 ウーさんの死を受け、寄付金が不正流用されたとの疑いが浮上しており、ソーシャルメディア上では怒りの投稿が相次いでいる。

 ウーさんは昨年、メディアの報道をきっかけにネットで注目をあつめ、100万元余りの寄付金を集めた。ウーさんの当時の体重はたった21キロだった。

 しかし寄付を募るクラウドファンディングを実施した慈善団体によると、ウーさんが昨年11月、自身の治療費として受け取った額は2万元(約30万円)のみだった。

 中華少年児童慈善救助基金会(CCAFC)はウーさんの死を受けて出した声明で、ウーさんとその家族は「残りの寄付金を手術とリハビリ治療のために取っておくことを望んだ」と説明した。

 しかしネットユーザーはこの説明に納得しておらず、中国版ツイッター(Twitter)の微博(Weibo)には「金を横領した者は死ぬべきだ」「こうしたくずの慈善団体を決して信用すべきでない」などの怒りの投稿が出ている。

 AFPはCCAFCにコメントを求めたが、返答は得られていない。(c)AFP