【1月15日 AFP】イタリア警察は15日、シチリア(Sicily)島を拠点に、欧州連合(EU)の農業補助金約1000万ユーロ(約12億円)をだまし取っていた大掛かりなマフィア詐欺組織を解体したと発表した。

 メッシナ(Messina)検察当局は、早朝に行われた一斉捜査で計94人が逮捕されたと明かした。

 逮捕者らの中には、マフィア2組織の各首領と公証人1人、複数の起業家に加え、農家らによる助成申請を支援する立場の公務員らが含まれていた。

 現地メディアRai24によると、2013年以降、シチリア島北東部の山間部の町名にちなみトルトリーチ・マフィア(Tortorici Mafia)と呼ばれる同組織が、EUから約1000万ユーロを詐取。

 容疑者らは、実際には地方自治体が所有する土地を自己所有と虚偽の申請を行い、EUからの補助金を受け取っていた。

 詐欺行為の中心的役割を果たしていたのが、EUの農業補助金を農家らに支給する公的機関と、農業補助金申請支援センターの職員らだった。

 警察は、逮捕者のうち48人は留置施設に収容され、これ以外の容疑者らに対しては自宅軟禁の措置が講じられたとしている。(c)AFP