【1月17日 CNS】中国・上海市の観光名所・豫園(Yuyuan)で11日夜、恒例のランタン祭りが幕を開けた。今年は人工知能(AI)システムが初めて導入され、伝統行事に新しい息吹をもたらした。

 今月25日の春節(旧正月、Lunar New Year)の時期に合わせて行われる豫園のランタン祭りは、上海人にとって欠かせない年越し行事で、観光都市・上海の代表的イベントだ。

 11日夜、スピーカーから「点灯!」という音声が流れると、ランタンが一斉に光り輝いた。昨年まで各建物に配置されたランタンはそれぞれ手動で点灯スイッチを入れており、一定の時間差ができていた。今回はコントロールルームにAIを導入し、音声を通じた一斉ライトアップを実現した。

 AIに加え、今回のランタン祭りでは、イルミネーションや光ファイバー、LEDスクリーンなどの技術も導入。豫園内の九曲橋には3000枚の偏光フィルムで構成した新しいランタンが登場し、さまざまな光線で光と影を表現している。

 上海豫園集団(Shanghai Yuyuan)ランタンビジネス事業の徐翀(Xu Chong)社長は、「今の若者は伝統的なランタンへの関心が薄れていると言われます。若者を伝統文化に引きつけるため、ランタン祭りにハイテクの要素を取り入れ、将来に向けて新しい可能性を提供していきたい」と話している。

 ハイテクを取り入れる試みは昨年からも行われており、ランタン祭りに足を運ぶ若者が明らかに増え、地元の客も戻ってきているという。 (c)CNS/JCM/AFPBB News