【1月15日 AFP】豪サウスオーストラリア(South Australia)州カンガルー島(Kangaroo Island)に設置された仮設の動物病院には連日、多数の負傷したコアラがネコ用キャリーバッグや洗濯かごで運ばれてくる。中には保護スタッフにしがみついて来院するコアラもいる。

 カンガルー島に壊滅的な被害をもたらしている森林火災で負傷し、緊急治療を必要とするコアラがあまりにも多い。そのため個々に名前を付ける時間もなく、コアラたちは番号で呼ばれている。

 だが、救護されたすべてのコアラが助かるわけではない。安楽死を選択せざるを得ないほどの重傷を負っているコアラも多い。

 この仮設病院で治療を行うボランティア団体のチーム代表、スティーブン・セルウッド(Steven Selwood)氏によると、今回の森林火災の発生以前、カンガルー島には約4万6000頭のコアラがいたとみられるという。

 セルウッド氏は、残っているのはわずか9000頭で、この数は「かなり衝撃的」だと述べた。

 森林火災によりカンガルー島の半分近くが壊滅し、コアラ生息地の8割が失われたと推定されている。

 映像前半はカンガルー島でのコアラの保護の様子、15日撮影。後半は仮設の動物病院で手当てを受けるコアラ、14日撮影。(c)AFP