【1月15日 Xinhua News】中国湖南省(Hunan)の長沙税関は13日、同税関に属する長沙郵局(郵便局)税関がこのほど、日本から郵送された古い線装(糸とじ)本の入った箱4個を相次いで押収したと発表した。この古書は虫食い被害が深刻で、税関職員が初期スクリーニング検査を行ったところ、計十数種類の昆虫と生きた幼虫が見つかり、検疫上のリスクが非常に高いことが分かった。

 長沙郵局税関の職員によると、古書は計200冊余りあり、日本語の本と中国語の本が含まれており、多くは明治時代(1868~1912年)の本だという。最も古いものは出版年が1466年と記され、500年以上たっていることが分かる。

 長沙郵局税関監督管理科の梁棟(Liang Dong)科長は、古書の一時的な押収は主に規定に従った措置だと説明。税関は中国国内に持ち込まれる出版物を監督管理する必要があり、箱の開封検査によってこれらの古書の深刻な虫食い状況が判明したと述べた。梁氏はさらに「出どころが複雑なこれらの線装の古書は、何百年も蔵で保管され、人の手を転々と渡ってきたため、倉庫内に潜む昆虫を主とする有害な多種類の生物に感染している。ゾウムシ科やカツオブシムシ科、カ科やゴキブリ目、トビケラ目、チョウ目昆虫およびクモ綱の生物十数種が初期的検査で見つかった」と語った。

 スクリーニング検査を担当した同税関の高級農芸師、羅志萍(Luo Zhiping)氏によると、これまでに見つかった昆虫は十数種類に達し、大半は幼虫だが、ゴキブリの卵鞘(らんしょう、複数の卵が入った袋状のかたまり)も見つかっているという。

 近年、国民経済水準の向上に伴い、多くの中国人が日本にある書画、囲碁、磁器を含む工芸品などの収集に熱を上げている。(c)Xinhua News/AFPBB News