【1月15日 AFP】ブラジルの国立宇宙研究所(INPE)は14日、2019年の同国北部のアマゾン熱帯雨林の破壊面積が、合計9166平方キロメートルに及んだとする公式調査の結果を発表した。前年の4946平方キロより85%拡大しており、少なくとも過去5年間で最悪となった。

 INPEのデータは人工衛星を用いたリアルタイム監視システム「DETER」によって収集されたもの。

 森林破壊の急激な悪化は、気候変動に懐疑的な立場を取る同国のジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が就任1年目に広大なアマゾン熱帯雨林の開発に関する規制を緩和した時期と重なっている。 

 アマゾン川流域では昨年、広範囲で森林火災が発生。最新の調査によれば、2019年に熱帯雨林で発生した火災は前年比30%増の8万9178件に上った。世界各地からブラジルへの批判が起こると同時に、ボルソナロ氏と欧州各国の首脳の関係は外交上の争いに発展した。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は14日、ボルソナロ氏の環境政策が森林破壊を促進し、森林保護を訴える活動家らに対する攻撃を促していると指摘し、政策の見直しを訴えた。(c)AFP