【1月13日 AFP】タイの首都バンコクで12日、「独裁に抗議するランニングイベント」が開かれ、約1万人が参加した。ランナーらは政府に抗議するスローガンを叫び、人気映画シリーズに登場した独裁からの自由を意味する3本指のサインを掲げた。同国では2014年のクーデター以降、反政府活動が続いている。

 ランナーらは同日未明、バンコク市内にある公園に集合。元陸軍司令官のプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相が率い、親軍勢力が議会を占める政府に対抗する姿勢を示した。

 イベントを主催したのは、軍事政権に断固反対する新未来党(Future Forward Party)のカリスマ党首で、富豪のタナトーン・ジュンルンルアンキット(Thanathorn Juangroongruangkit)氏。タナトーン氏は議員の地位を剥奪され、党は解散の危機に直面している。

 参加者らが掲げた3本指のサインは、「ハンガー・ゲーム(Hunger Games )」シリーズで使われたもので、独裁支配からの自由を示すシンボルだという。

 戦車のコスチュームを身に着けた参加者は「国民のことを考え、戦車や潜水艦を購入する代わりに私たちの健康や環境のためにお金を使う政府が欲しい」と語った。

 タイでは南部パタニ(Pattani)県から北部の観光都市チェンマイ(Chiang Mai)まで各地で同様のランニングイベントが開かれた。大勢のランナーが参加し、スタートを切ると同時に3本指のサインを見せた。(c)AFP/Sippachai KUNNUWONG, Dene-Hern Chen