【1月12日 AFP】中国で最も長い歴史を持つインディペンデント映画祭の一つである「中国独立影像展(CIFF)」が、政府による検閲強化の影響を受け、その幕を下ろすことになった。同国で「純粋に独立した」映画祭を続けていくことはもはや不可能だという。

 CIFFはメッセンジャーアプリ「微信(WeChat、ウィーチャット)」の公式アカウントで映画祭の終了を発表。「目下、地方における活動の状況では、純粋に独立した精神と実質性を持つ映画祭を企画することは不可能であると考える」と説明した。

 それ以上の詳しい理由については明らかにしていないが、現在同国では、習近平(Xi Jinping)国家主席が率いる政権の下でメディアやエンターテインメント業界での検閲が劇的に強化されている。

 発表によるとCIFFは、2003年に同国東部南京(Nanjing)市で開始され、これまで14回にわたり開催されてきた。

 CIFFは、同性愛や大規模な三峡ダム(Three Gorges Dam)計画をめぐる論争など、センシティブなテーマを取り上げた映画を上映することで知られていた。

 北京電影学院(Beijing Film Academy)の教授を務め、CIFFの主催者の中心人物である張献民(Zhang Xianmin)氏は、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)に対し、映画祭の終わりは、もっと映画が規制されていた時代に中国を引き戻すとコメント。「われわれは20年前に戻ってきた。インディペンデント映画の余地も機会もない時に」と語った。(c)AFP