【1月12日 AFP】ソマリアとエチオピアに大惨事をもたらしたサバクトビバッタの大群がケニアに襲来し、食糧安全保障に深刻な脅威をもたらしている。ケニアのムワンギ・キウンジュリ(Mwangi Kiunjuri)農畜水産・灌漑(かんがい)相が10日、明らかにした。

 国連(UN)食糧農業機関(FAO)によると、今回のサバクトビバッタの大発生は、「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ北東部では「この25年間で最悪」だという。

 エチオピア東部とソマリア北部で大発生したサバクトビバッタは、アフリカ北東部を移動しており、南スーダンとウガンダに到達する恐れもある。

 AFPが入手した画像によると、ケニアでは苦肉の策として、現地に配備された警察官が空中に向けて発砲したり、サバクトビバッタに催涙ガスを噴霧したりしているほか、住民らが手をたたいたり、口笛を吹いたり、瓶や缶を打ち鳴らしたりしながら、サバクトビバッタの大群を追い払おうとしているのが見て取れる。

 キウンジュリ氏は、政府が被災地に散布する殺虫剤と、空中散布用の航空機2機を確保していることを明らかにし、近いうちに3機目を手配したいと述べた。

 FAOは昨年12月、エチオピアとソマリアでは被害面積が約700平方キロに及んでいることを明らかにした。さらに、サバクトビバッタがケニアで繁殖するリスクは低いが、エジプト、スーダン、エリトリア、サウジアラビア、イエメンで繁殖し、紅海(Red Sea)の両岸で「脅威を招きかねない状況」が進行しつつあると指摘している。(c)AFP