【1月11日 AFP】イングランド・プレミアリーグの王者マンチェスター・シティ(Manchester City)のサポーター2人が10日、人種差別行為で有罪判決を受け、5年間のサッカー観戦禁止に加え、同クラブからは本拠地エティハド・スタジアム(Etihad Stadium)への永久的な出入り禁止を言い渡された。

 イングランド北部ヨークシャー(Yorkshire)地方出身で58歳のイアン・ボルドリー(Ian Baldry)被告は、2018年12月にシティのホームで行われたボーンマス(AFC Bournemouth)戦で、得点を喜んだFWラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)に人種差別的な暴言を浴びせた。

 昨年9月に人種差別的な故意の嫌がらせ、脅迫的あるいは攻撃的な行為を引き起こしたとして有罪を認めていた同被告は同日、マンチェスター治安判事裁判所(Manchester Magistrates' Court)で有罪判決を受けると同時に、200時間の社会奉仕活動と170ポンド(約2万4000円)の罰金を言い渡された。

 問題の試合を観戦していた別のサポーターの供述書では、「今のこの時代に、このようなことが起きていることに吐き気を覚えた」「その言葉を耳にしたときは衝撃と怒りを感じ、気分が悪くなった」と述べられていた。

 また、同被告の友人でマンチェスター出身のジェームズ・マコネル(James McConnell)被告も、同じ試合で警備を担当していた2人に対して人種差別発言を行っていた。

 大マンチェスター警察(Greater Manchester Police)が目撃者の証言として明かした内容によると、57歳の同被告は試合の前半に酒に酔って悪態をつき、ピッチ上の選手に侮辱するような暴言を終始吐いていたという。

 また、ボーンマスの選手にも人種に関する発言を浴びせており、報道ではDFタイロン・ミングス(Tyrone Mings)がその被害者とみられている。

 あるシティのファンが被告の振る舞いをとがめた後、警備員に通報。同被告はその2か月前に行われたニューカッスル(Newcastle United)とのホームゲームでも、CKを蹴ろうとしたシティの選手一人に対して同様の暴言を吐いていた姿が目撃されていた。

 有罪を認めたマコネル被告にも、同裁判所で判決が下された。(c)AFP