【1月11日 AFP】台湾で11日、総統選と立法院選の投開票が行われる。選挙では中国との緊迫した関係が争点となっている。

 再選を目指す与党・民主進歩党(DPP)の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統(63)は、習近平(Xi Jinping)国家主席率いる中国政府がますます権威主義を振りかざしていることに対し、自らは台湾の自由主義的な価値観の擁護者だとアピールしてきた。

 対立候補である最大野党・国民党(KMT)の韓国瑜(Han Kuo-yu)氏(62)は、台湾の発展につながるとして対中融和路線を取り、現政権は不必要に中国政府に敵対していると非難している。

 両陣営は10日夜、群衆を前に最後の大規模集会を開いた。蔡氏の支持者らは緑の旗を、韓氏の支持者らは赤と青の旗を振った。

 蔡氏は支持者らに、「今回の選挙では、台湾の人々が、中国から圧力を受けながらも勇敢に民主主義と自由を選択できるかどうかが試される」と呼び掛けた。


 台湾では投票日の10日前から世論調査を発表することが禁じられているが、元学者の蔡氏の支持率は選挙運動期間を通して対立候補をリード。蔡氏の民主進歩党は過半数の議席を有しており、アナリストは同党が過半数を維持すると見ている。

 中国政府は蔡氏の落選を望んでいることを隠し立てせず、選挙結果は同政府を怒らせることになりそうだ。(c)AFP/Jerome TAYLOR