【1月24日 CNS】中国・国家統計局によると、2019年の全国消費者物価指数(CPI)は2.9%で、3%前後としていた年間管理目標を達成した。月次のCPIは2か月連続で4%を超えたが、20年には豚肉関連の政策が効果を上げ、CPIは前半高く後半には下がると専門家は予想している。

■12月のCPI月次同期比は前月並み

 19年11月のCPIは、過去8年で最も高かった。国家統計局が9日に発表したデータによると、同年12月のCPIは前年同期比4.5%上昇、上げ幅は前月並みだった。その中で、食品価格が17.4%上昇し、CPIを3.43ポイント押し上げた。

 中国人民大学の趙錫軍(Zhao Xijun)副院長は「12月の食品価格の上げ幅を押し上げた主な要素は豚肉。豚肉の需給バランスは回復しつつあるが、正常なレベルにもどるまでには一定の時間がかかる」との考えを示した。

■豚肉のCPIを押し上げる影響は弱まる

 前月比で見ると、養豚業の生産回復や政府による備蓄豚肉の放出および輸入増加により、猪肉の供給量は改善され、価格は前月の3.8%上昇から5.6%下降へ転換し、CPIを0.27p引き下げたとしている。

 農業農村部によると、19年12月の養豚の出荷比率は前月比14.1%上昇し、8月~11月までの養豚出荷が下がり続けた状況は一変し、農産品市場における豚肉の小売量は前月比11.7%上昇。供給の増加が消費需要を上回り需給バランスは緩和の方向に動いているとされる。

■年間管理目標は達成

 月次のCPI上げ幅は高止まりだが、19年の年間CPI管理目標であった「3%前後」は実現した。新時代証券(New Times Securities)の潘向東(Pan Xiangdong)首席エコノミストによると、アフリカ豚コレラの発生は豚肉価格を暴騰させ、19年の豚肉価格は前年同期比で平均42.5%上昇、19年のCPIを18年度比で1.2ポイント押し上げた。一方では、18年春の寒冷な気候の影響を受け、秋の果物の収穫が減産となり、19年に供給不足を招き、第2四半期に果物価格が高騰したことの影響もあったとしている。

■20年のCPIは前半が高く後半は低くなると予想

 交通銀行の連平(Lian Ping)首席エコノミストは、豚肉価格の上昇による圧力以外、明らかにCPIを押し上げる要素は見当たらないという。「CPIの上昇は一時的な現象であり、今後一定の期間はCPIは高めに推移し、20年の第1四半期が終わる頃から徐々に下がっていく」と分析している。

 前出の趙錫軍副院長は「20年上期の物価は全体的に高めで、食品価格、特に豚肉価格と季節性要素などの影響を受ける。下期以降は、政策効果が現れ始め、豚肉の供給は正常な状態に回復、物価は下がっていく」という。(c)CNS/JCM/AFPBB News