レトロな異色の存在 老舗ダンスホールの不透明な未来 ベルリン
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【1月19日 AFP】ドイツの首都ベルリンの老舗ダンスホール「クレールヒェンス・バルハウス(Claerchens Ballhaus)」は1913年の開業以来すべてを見てきた――タンゴ、戦争で夫を亡くした女性たちのための舞踏会、ナチス・ドイツ(Nazis)によって禁止されたキューバのルンバ、「恋のマカレナ(Macarena)」のダンスなど。
ここはクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の映画に使われたこともある。ミラーボールの下、ハイヒールを履いた70代の女性が流行に敏感なチェック柄のシャツを着た若者と交流する姿も見られる。
しかし、107年の歴史を誇るダンスホールの未来は不透明だ。
盛大な年越しパーティーが終わった1月1日、ダンスホールは閉鎖された。新たな持ち主の下で「全面改装」が行われる予定だが、いつ再開されるのかは分からない。
ベルリンでは近年、不動産価格の高騰によりナイトクラブの閉店が増えており、クレールヒェンス・バルハウスの行く末も案じられている。また閉店の危機にある店の数はそれよりもさらに多いという。
古めかしいダンスホールを15年間切り盛りしてきた支配人ら従業員は、新たな持ち主に契約を更新してもらえなかった。
しかし、2018年にダンスホールを購入したベルリン出身の不動産投資家ヨラム・ロート(Yoram Roth)氏は、心配はいらないと強調する。
「クレールヒェンス・バルハウスを守るという私の目的は明確だ」と、米ニューヨークやデンマークの首都コペンハーゲンにフォトギャラリーやレストランを所有するロート氏はAFPの取材に話す。
ロート氏は、ダンスホールを企業のイベントや結婚式の会場として貸し出す計画で、まずは火災報知機の総点検から始めるという。だが、同氏は再開時期を明らかにしなかった。