■群れの大きさと関係か

 ヨウムには、人間と同様に「仲間」を特別扱いする様子も見られた。近しい関係にある仲間とは、分かち合うトークンの数の多さに有意性が見られたのだ。ただ、顔見知り程度の相手にも多少のトークンを与えた。

 完全に見知らぬ相手との間にもこの作用が生じるかどうかは、今回の実験では検証していない。

 ヨウムが「向社会的」に行動する一方で、コンゴウインコがそうした行動を取らないことの理由は明らかになっていない。ただ、これら2種類の鳥が自然環境においてどのように群れを組織しているかに関連している可能性があると、研究チームは示唆している。

 最大で1200個体にも上る巨大な群れで生活するヨウムは、10~30個体のはるかに小さな集団で生活するコンゴウインコよりも高い社会的認知能力が必要となることが考えられると、スイス連邦工科大のブルックス氏は語る。

 研究チームは今後、世界に生息するオウム・インコ科の鳥393種の間に協力行動がどれほど広まっているかを調査し、その背景にどのような進化的圧力が作用したかを調べたいとしている。

 映像はロロ公園の研究所で行われた実験。マックス・プランク鳥類学研究所の研究チーム提供。(c)AFP/Issam AHMED