【1月11日 Xinhua News】中国科学院合肥(Hefei)腫瘤医院医学病理部の方志友(Fang Zhiyou)研究員と陳学冉(Chen Xueran)副研究員のチームはこのほど、スクリーニングにより、悪性神経膠腫(グリオーマ)治療の鍵となる低分子薬剤を発見した。研究成果は学術誌「Theranostics」に巻頭記事として掲載された。

 陳氏は、脳腫瘍の一種である神経膠腫は発症率が中国で上位5番以内になっていると指摘。ヒトの脳の血液脳関門には保護障壁があり、これまで多くの治療薬がこの障壁を通過できず、そのため腫瘍部位の治療ができなかったと説明した。

 今回のスクリーニングで得られたゲニステイン薬剤は、この障壁を突破できるとされ、研究の結果、この薬剤は遺伝子ZDHHC17と分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ4(MAP2K4)の結合や、C-Jun N末端キナーゼ(JNKs)とp38のシグナル伝達を効果的に阻害するだけでなく、神経膠細胞(グリア細胞)の増殖や浸潤など悪性の働きの拡大も大幅に阻害できることがわかった。

 研究では神経膠腫発生の根本原因を明らかにしただけでなく、神経膠腫の治療とがん再発防止のための新たな考えを提供した。(c)Xinhua News/AFPBB News