【1月10日 AFP】英下院は9日、同国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)関連法案をついに可決した。これにより英国は今月31日にEUを離脱し、EUとの新たな貿易協定の交渉を開始することとなった。

 ブレグジットとその後はどう進むのかをまとめた。

■1月20日:上院での審議

 昨年10月にボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相がEUと合意した離脱法案が下院を通過した今、審議は上院に移った。非公選制の上院は、下院と異なりジョンソン氏率いる保守党が過半数を占めているわけではない。だが、昨年12月の総選挙で保守党が圧勝したことと下院での議決状況を考えると、上院においても大幅な変更なく離脱法案が可決される可能性が高い。

 上院での審議は13日から始まり、採決は22日または23日に行われる見込み。

■1月29日:欧州議会

 離脱法案は欧州議会(European Parliament)による承認も必要だ。採決は今月29日に行われる予定。

■1月31日:ブレグジット

 英議会と欧州議会で離脱法案が承認された場合、英国は離脱期限であるグリニッジ標準時(GMT)1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)にEUを離脱する。

 2016年6月に行われたブレグジットの是非を問う英国民投票から約3年半たち、英国はようやく、欧州共同体(EC)時代を含めて約半世紀近くにわたったEUとの一体的な関係に終止符を打つ。

■2月~3月:新貿易協定の交渉開始

 英政府は2月1日からEUとの新たな貿易協定の交渉を開始できると表明している。だが、英・EU双方の関係者は、交渉開始が3月1日前後になる可能性を示唆している。

■6月30日:移行期間延長の申請期限

 英国とEUの合意には移行期間が設けられおり、今年12月31日までは事実上これまでと同じ関係を維持することになっている。この移行期間中に英国とEUは、新たな通商関係および安全保障関係について合意する。

 英国は移行期間を1年または2年延長できるが、EUへの延長申請期限は今年6月30日となっている。その後の延長申請は認められない。

 ジョンソン首相は、延長はしないと明言している。

■12月31日:移行期間の終了

 移行期間の延長がなければ、英国とEUの従来の関係は12月31日に解消される。(c)AFP