【1月10日 AFP】ハンガリーのオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相は9日、人口減少対策の一環として、将来的に国営医療機関での不妊治療を無償化する方針を打ち出した。

 オルバン首相は首都ブダペストで開いた記者会見で、2月1日から不妊治療に使用される医薬品を無償化することに決まったと発表。また、体外受精(IVF)は将来、「市場ベースではなくなる」とも述べた。

 ハンガリー政府は先月、ブダペストの民間不妊治療院4院と首都以外の2院の計6院を買収すると発表した。首相はあくまで「買収」で、無補償での「収用」ではないと強調した。

 首相はさらに、不妊治療院は「国家戦略的に重要」であると説明し、民間企業の不妊治療院への投資については「許可されることはない」として、行わないよう忠告した。

 ハンガリー政府は、カップルにより多くの子どもをもうけてもらうための奨励金など、人口減少対策を相次いで実施している。

 ハンガリーの人口は980万人だが、公式統計によると出生数は年々減少している上、過去10年間には、何十万人もの国民が西欧を中心とする国外に転出している。

 ある閣僚は先月、不妊治療無償化によって2022年までに4000人の誕生が期待されると語った。

 反移民強硬派のオルバン首相は、人口減少をはじめとする欧州の人口問題の解決策としての移民を認めていない。(c)AFP