【1月10日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は9日、ロシアに対して科した4年間の国際大会出場禁止処分について、スポーツ界において最高裁判所の役割を果たすスポーツ仲裁裁判所(CAS)に判断を委ねる手続きを取ったことを明らかにした。

【図解】ロシアのドーピング問題、これまでの経緯

 これに先立ちWADAはちょうど1か月前、国家ぐるみのドーピングを画策したとしてロシアに4年間の出場停止処分を科し、今年の東京五輪をはじめ、2022年の北京冬季五輪とサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)への参加を禁じた。

 WADAはモスクワの反ドーピング検査所から回収したデータに関して、ロシアが「捏造(ねつぞう)」していたと主張している。

 ロシアでは尿検体の入った容器をすり替えるなど、政府高官や秘密情報員らが長期間にわたり組織的なドーピングに関与していた事実が2015年に発覚して以来、長きにわたるスキャンダルに直面している。

 今回の制裁が確定すれば、ロシアは組織的なドーピングと無関係であることが証明可能な選手のみ、東京五輪への参加を認められる。これと同様の措置は、同国がアイスホッケー男子で金メダルを獲得した2018年の平昌冬季五輪でも講じられた。

 WADAが今回の動きに出たのは、先月27日にロシア反ドーピング機関(RUSADA)がWADA理事会の処分に異議を申し立てたことを受けてのものとなっている。(c)AFP