【1月10日 AFP】日産自動車(Nissan Motor)前会長で保釈中に日本からレバノンに逃亡したカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告に対し、森雅子(Masako Mori)法相が財務上の不正行為の嫌疑を抗弁するためレバノンから戻るべきだと述べたことをめぐり、同被告はこの発言を「ばかげている」と非難した。

 レバノンのテレビ局LBCIのインタビューで、ゴーン被告は日本の「司法制度は完全に時代遅れだ」と指摘。「レバノンの司法制度には全面的に協力するつもりだ。レバノンの司法制度は、日本よりもはるかに安心できる」と語った。

 自身の出身地であるブラジルのメディアに対し、ゴーン被告は同国が日本当局に「圧力」を加えなかったことに失望していると語った。

 ゴーン被告は、8日に放映されたブラジルのテレビ局グロボ・ニュース(GloboNews)のインタビューで、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は同被告の姉でブラジル在住のクロディーン・ビシャラ(Claudine Bichara)氏に接触していたと述べ、自身の問題に当局が介入するとの期待を高めていたと話した。

 同被告は「私はいつか、普通で適切な扱いがなされるよう、ブラジル政府がいくらか圧力を加えるだろうとの望みを抱いていた」と言明。ボルソナロ氏が昨年10月に東京を訪問した際、自身の問題を日本当局に提起することを望んでいたが、ブラジル外務省が同氏に「日本側が動揺するとの見解を伝えたため、何も行われなかった」と指摘した。

 同被告はフランス、レバノン、ブラジルの3か国の旅券を所有している。(c)AFP