墜落機「イランが誤って撃墜」 米当局が見解
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【1月10日 AFP】(更新)イランで起きたウクライナ機墜落について、米メディアは9日、同機がイランによって誤って撃墜されたとする米当局者の見解を相次いで報じた。イラン当局は、墜落の原因がミサイル攻撃だったとの見方は「筋が通らない」と否定している。
同機は8日、離陸直後に首都テヘラン近郊に墜落し、乗客乗員176人全員が死亡。イランはこの直前、米軍が駐留するイラクの軍事基地に対しミサイル攻撃を行っていた。
ニューズウィーク(Newsweek)誌、CBS、CNNは匿名の当局者の話として、米当局は衛星、レーダー、電子データに基づき、イランの対空防衛システムが同機を誤って撃墜したとの見方を強めていると伝えた。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、撃墜には直接言及しなかったものの、その可能性を強く示唆。墜落については「疑念」を持っていると表明し、「かなり危険な地域を飛んでいて、誰かが誤りを犯したかもしれない」と指摘し、「(墜落の原因が)機械的なものだったと言う人もいるが、個人的にそれは論外だと考えている」と述べた。
インターネット上で広く出回っている写真には、同機の残骸に開いた複数の穴が写されており、専門家らは、機体のすぐそばで爆発したロケットの破片を浴びた際に生じる穴と一致していると指摘している。
一方、イラン道路交通・都市開発省は声明で、「当時、イラン領空では同じ高度8000フィートで複数の国内便・国際便が飛行していた」とし、「航空機がミサイル攻撃を受けたというこの見解は、まったくもって不正確だ」と表明。イラン民間航空機関(CAO)のアリ・アベドザデ(Ali Abedzadeh)局長も、墜落機がイラン革命防衛隊(IRGC)のミサイルを受けたとのうわさは「筋が通らない」と述べた。(c)AFP