英政府の「変人」募集にユリ・ゲラー氏が応募、「超能力」外交をアピール
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【1月9日 AFP】スプーン曲げで有名な「超能力者」のユリ・ゲラー(Uri Geller)氏(73)が8日、英首相官邸の「奇人、変人」を募集する求人に応募していたことを明らかにした。
ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の側近、ドミニク・カミングス(Dominic Cummings)首相上級顧問の呼び掛けに応じたもので、ゲラー氏は応募書類で自分の「本物の超能力」を生かしてほしいとアピールしている。ゲラー氏はイスラエル出身で、英市民権を保有する。
AFPが確認した応募書類には、「『予測科学の最前線』にいる人物を求めているそうですね? もう探さなくていいですよ」「私には、真の超能力があります。(イスラエルの対外情報機関)モサド(Mossad)や、米中央情報局(CIA)、米国防総省に聞いてみてください」と記されている。
自身も型破りなことで知られるカミングス氏は、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の是非が問われた2016年英国民投票で、離脱派の先頭に立った人物。先週、個人ブログに投稿した約3000語の長文で、英政府の政策決定者や顧問らに多様性をもたせる必要があるとの持論を展開した。
カミングス氏によれば、英政府は「さまざまな技能や経歴をもった、普通でない人々」を雇いたいと考えている。求める人材として同氏は、ソフトウエア開発者や経済・政策・広報の専門家、プロジェクトマネジャーなどに加え、「変わった技能をもった奇人、変人」を挙げていた。
この呼び掛けが、ゲラー氏の心に響いたようだ。同氏はジョンソン首相の支持者とみられ、昨年12月には故ゴルダ・メイア(Golda Meir)元イスラエル首相が所有していたとされる「ポジティブなエネルギー」で満たされたスプーンをジョンソン首相に贈り、英総選挙での勝利を手助けをしたと主張していた。
長年、米国やイスラエルの情報機関に協力してきたと語ってきたゲラー氏。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の推薦状が添えられた今回の応募書類でも、スプーン曲げなどの奇術で知られるエンターテイナーとしてのキャリアは、諜報(ちょうほう)活動の「隠れみの」だったと主張。主な活動歴として「(湾岸戦争時の米軍の)『砂漠の嵐作戦(Operation Desert Storm)』や、北朝鮮の秘密トンネルの発見を助け、もう少しでロシア政府の手に渡るところだった重要な外交機密を私の技でディスクから消去した」ことなどを挙げている。
その上でゲラー氏は、ブレグジット後の英国が数年にわたって直面するであろうEUとの難しい交渉でも、自身の才能を役立てられるだろうと提案している。(c)AFP