■歓迎ムードから一転

 2人の結婚を取り巻いていた歓迎ムードは、だんだんと剥がれ落ちていった。

 批評家らは、王子夫妻のぜいたくな暮らしやメディアとの闘い、環境保護を訴えながらプライベートジェットに乗る偽善的とも思える行動を批判した。

 メーガン妃は難しい人物で、職員が次々に辞めているとのうわさも広がった。

 さらに、メーガン妃の陣痛が始まったと発表した時には、既に子どもが生まれていたことも英メディアを激怒させた。また、アーチー君の名付け親を明かさないと決めたことも、もったいぶっているとみられた。

 フログモア・コテージの改装に240万ポンド(約3億4000万円)かけたことも批判の的となった。

 昨年9月のアフリカ訪問は好意的に受け止められたが、10月初めに複数のメディアを批判し、ある大衆紙グループを提訴したことで、自らの手で台無しにしてしまった。

 同月には、英民放ITVのドキュメンタリー番組でヘンリー王子が、兄のウィリアム王子(Prince William)とは「異なる道を歩んでいる」と発言。2人の関係には「良い日」もあれば「悪い日」もあると述べ、ヘンリー王子夫妻と英王室の距離ができつつあるとのうわさを認めた形となった。

■高位王族としての地位の引退

 王子夫妻は8日の声明で、高位王族としての地位から身を引き、経済的独立に向けて取り組むと同時に、引き続きエリザベス女王(Queen Elizabeth II)を支援すると表明した。夫妻の活動費は現在、ヘンリー王子の父親であるチャールズ皇太子からの資金によって賄われている。さらに、新たな慈善団体を立ち上げ、多くの時間を北米で過ごすとも述べている。

 エリザベス女王が公務を減らし、ゆくゆくはチャールズ皇太子が王位に就いた時には、英王室の中で年長メンバーに属するヘンリー王子とメーガン妃には、多くの役割が期待されていた。

 だが未来は今、不透明となった。(c)AFP/Robin MILLARD