【1月9日 AFP】(更新)イランがイラクの米軍駐留基地をミサイルで攻撃したことを受けて、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、ホワイトハウス(White House)で演説し、攻撃により米国人やイラク人の死者は出ず、イランは「身を引いているようだ」と述べて、同国との戦争を回避する姿勢を示した。

 トランプ氏は「わが国の兵士は全員無事であり、われわれの軍事基地における被害は最小限にとどまった。われらが偉大なる米軍は、何に対しても備えができている」と述べた。

 また「イランは身を引いているようだ。これは全当事者にとって良いことであり、世界にとって非常に良いことだ。米国人やイラク人の命は失われなかった」と話した。

 トランプ氏は、イランに対して直ちに「厳しい追加制裁」を科すと表明したが、7日のミサイル攻撃に対する報復の可能性については言及しなかった。

 専門家らはイランのミサイル攻撃について、同国のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官が米国の無人機攻撃によって殺害されたことに対する最初の本格的な対抗措置とみている。世界各国の首脳はそろって、この攻撃を非難した。

 トランプ氏は、自身の経済政策により中東の石油への米国の依存度が低下し、中東での米政府の「戦略上の優先事項」が変わったと説明。「私はきょう、北大西洋条約機構(NATO)に対し、中東のプロセスへの関与を大幅に深めるよう要請する」と述べた。

 また、世界の主要国に対し、米国に追従して2015年のイラン核合意から離脱するよう呼び掛けた。さらにイランに対しても直接の呼び掛けを行い、「米国は、平和を追求するすべての人々との和平を受け入れる用意がある」と述べた。(c)AFP